今日は終日イエローストーン内を観光する予定で、マンモス・ホット・スプリングスから東へ走り、途中‘ブラックテイル・プラトー・ドライブBlacktail Plateau Dr.(一方通行)’に道を取りタワールーズベルト方面へ走ろうと思っていましたが、計画中に非舗装道路と分り走るのを断念しました。
なぜなら、息子が「アメリカの非舗装道路は想像以上に悪路だぞ」と言うし、レンタカーも普通のセダンだし、そんな道路で何かあっても保険の適用外になる可能性があると‘地球の歩き方’の本にも書いてあったからです。
今日の行動予定はマンモス・ホット・スプリングス→タワールーズベルト→キャニオン⇒イエローストーン・レイク→グランドビレッジまで約130Kmを走ります。
ルーズベルトカントリー
ソルトレイク空港から522マイル(835Km)走りルーズベルトカントリーに着きましたが、道路工事中で臨時の信号の為渋滞が発生していて、大混雑ですが、マンモス・ホット・スプリングスとはガラリと趣きのちがう、西部劇に出てきそうなカントリーです。
通過するとき、ルーズベルトロッジが見えましたが、木々の中に黒っぽい丸太小屋風の建物は、アメリカ開拓時代の建物を見ているようだし、9月の上旬までのはずの駅馬車がまだ走っていたりして、工事中でなければ暫し開拓時代に思いを馳せられたのにと残念です。
ここで小腹が空いたのでサンドイッチとコーヒーで一休みしながら‘タワー滝’へ行くか検討した結果、キャニオンカントリーで時間を多く取りたいのでキャンセルすることに。
駐車場から車道に出たとたん、私達の車の前をメスのエルクがゆっくり横断していきますが、私はさっき‘リス’を撮ってからカメラをしまっていて絶好のシャッターチャンスを逃してしまいました。
まさか交通整理の人がでるくらい車でいっぱいの所に、動物が現れるとは思ってもみなかったので・・主人には「いつも写真をちゃんと撮ってね。と言う人が準備が悪いね!」と皮肉を言われてしまいました。
キャニオン・カントリー
キャニオン・カントリー(Canyon Country)には、渓谷を挟んで北側をノースリム(North Rim)、南側をサウスリム(South Rim)と呼び、ビューポイントやトレイルが点在しています。
ここには‘イエローストーン国立公園’の名前の由来になったと言われる、‘黄色い大渓谷’を見ることができ、ラッキーにも私たちが見た時は虹がかかっていました。
ノースリム
ガソリンもお腹も満たされているのでビジターセンターには寄らずに、まずは、ビレッジからレイク方面に少し走り、左手にある‘ノースリム(North Rim)’の一方通行道路に入ります。
ブリンク・オブ・ロウアーフォール・トレイル
最初にあるトレイルが‘ブリンク・オブ・ロウアー・フォール・トレイル(Brink of Lower Fall Trail)’で途中右手には落差33mの‘アッパー滝’を見る事ができ、もう少し頑張って下で降りていくと、落差93m(ナイアガラ滝の2倍の高さ)の‘ロウアー滝’の目の前に出ます。
トレイルは急な所もあって結構足にきますが、距離的には長くないし、‘ロウアー滝’は疲れも吹き飛ばすくらい迫力満点で、黄色い渓谷美と滝に至るまでの緑色した静かな水の流れが、激しい音をたてながら、真っ白な水しぶきとなって滝つぼに落ちる様には圧倒されます。
ルックアウトポイント
一方通行をもう少し進むとルックアウトポイントの駐車場に着き、トレイルを少し歩くと、観光客が盛んにカメラのシャッターを押しているので「何かしら?」と私も渓谷を覗きこみますが分りません。
キョロキョロと辺りを探していると、小学生くらいんの女の子が、前方を指差して、「岩の上に大きな鳥がいるよ」と教えてくれたので、指差す方向をよく見ると、塔のように聳え立つ岩の上に、鳥の巣があってその中に鳥がいます。
日本に帰ってから調べてみると、オスプレイ(日本名=ミサゴOsprey)だそうで、今話題の輸送用ヘリと同じ名前で、日本では西日本でも見られる鳥らしいですが、体長54cm~64cm、両翼150cm~180cmの頭や胸から腹にかけて白く、美しい鳥です。
少し距離があってよく見えませんでしたが、頭が白いのと羽を広げた時に胸が白いのは見ることができて、感動していると、日本語が聞こえてきました。
振り向くと、3人の女性の方が話をされています。サンフランシスコから今まで日本語を聞いたことが無かったので、うれしくなり「日本の方ですね、どちらからですか?」と声をかけました。
お二人の方は千葉県から来られたそうで、とても気さくで明るい方たちで「写真を一緒に撮らせていただいて、ホームページに載せてもいいですか?お顔はモザイクをいれますから・・」と私が言うと「お化粧は取れちゃったけど、モザイクなんてしないで載せてください」と明るく答えていただいて、たいへんうれしかったです。
実は「ホームページに書かせていただきます」と、家族以外の方にお声を掛けさせて頂いたのは、この時が初めてだったので、どんな反応をされるか心配だったのですが、あんなに明るい返事をいただいて感謝しています。
もう1人の女性の方はアメリカに住まわれていて、とても美しく気遣いのできそうな方で、旅行ガイドのお仕事をされているそうです。
私が「お勤め先の会社を、私のホームページに載せてもいいですか?」とお聞きすると、帽子を取って「髪が乱れてますが・・」と言いながらも写真撮影に応じて下さいました。
お顔を拝見した時、ただ漠然としてですが、以前どこかでお会いしたか、お見かけしたことがありそうと一瞬思ったのですが「まさか??」アメリカにお住まいの方を知るはずはないと、その時は思いました。
でも、私の感じた‘以前・・’の理由を、帰ってこれを書いている時に思い出したのです。
それは、この旅行の計画中に、グランドティトン国立公園について調べている時、たまたま見たホームページに、日本から行かれたご夫婦を案内されているようすが載っていて、とっても綺麗な方だったので記憶に残っていたのです。
その方は‘範子・ブラウン’さんとおしゃって、’サンシャインツアーズ’の代表をされているようで、実はメールアドレスを教えていただいたのですが、息子が「メールアドレスを載せると悪用される恐れがあるよ」と言うので、私が見つけた範子さんの載っているホームページのアドレスを載せることにします。
⇒ http://www.daishizen.com/american_nature_guide.html
この後もお二人は、素敵な旅を続けられたと思いますが、つかの間でしたが、楽しい出会いを有り難うございました。
ここは‘ロウアー滝’が一番かっこよく見えるポイントらしいので、そこまで歩きましたが、景色よりも楽しい出会いのほうが記憶に残っています。
アッパー・フォールズ・ビュー
一歩通行をなので一度ビジターセンターまで戻り、再びヘイデンバレー方向に進み、ノースリムの一方通行を過ぎしばらく走ると左手に‘アッパー・フォールズ・ビュー(Brink of Upper Falls)’へ入る道があります。
このトレイルはアッパー滝の上に出るトレイルで、滝の轟音と共に水しぶきがかかりそうな距離で滝を楽しめます。
ここまでノースリムを楽しんだのですが、メイン道路の戻り、今度はサウスリムをたのしみますが、ローアー滝の滝つぼまで下りる‘アンクルトムズ・トレイル’へ行きましょう。
アンクルトムズ・トレイル
駐車場から伸びるトレイルは、ほとんどの部分が階段でできていて、結構急で‘行きはよいよい帰りは怖い、怖いながらも、下りゃんせ、下りゃんせ’ちょっと作詞してしまいましたが。
会うひとごとに「ハロー」と声掛けををして、にこやかに下りていくと、すばらしい眺めが私たちを出迎えてくれました。
ナイアガラの2倍の高さから落下する滝は、水量も豊富で見るものを圧倒させ、対岸のノースリムの‘ブリンク・オブ・ロウアーフォール・トレイル’の人たちが右手前方に見えるので手を振ると、あちらの観光客も手を振って答えてくれて楽しいです。
さて、すばらしい景観を楽しんだ後は、心臓破りとでも言いましょうか、膝が笑い転げるとでも言いたくなる、きつい登りの階段が待っています。
ピサの斜塔より、一段一段の高さが高い階段は、男性でも途中で休むほどで、私たちも週に4日以上は4キロ近く走って体力をつけていますが、途中休むことにしました。
休んでいると、下でもご一緒した2人の若い男性が上がって来られたので、日本人だと思っていたので声を掛けると、千葉県から来られた大学生の方で、ヨセミテ国立公園からこちらへ来られ、私たちと同じようにレンタカーで回られているそうです。
車の運転で「慣れるまで、方向指示を出す時に、ワイパーを間違って動かしてしまう。」と主人と同じことを話されたので、慣れの問題で、歳とはあまり関係ないことが分かりよかったです。
お二人にもホームページのことを話し、ポーズをきめて写真を撮らせてもらって、オーケーの返事をいただきました。車の運転、お互いに気をつけて旅を続けましょうね。楽しい出会いを有り難うございました。
へイデンバレー
トレイルの先に‘アーティストポイント’と言ってローアー滝と渓谷が見えるポイントがあるそうですが、そこへは行かないで‘へイデンバレー’とやって来ました。
広大な平原を、スネークリバーが蛇行して流れるようすは、ポスターで見るように美しく、ここでもすぐ近くでバイソンを見たり、少し遠かったのですが、初めて、2~30頭のバイソンの群れを見ることができて感動しました。
レイクカントリー
イエローストーンレイク周辺のエリアで、この湖は琵琶湖の半分の大きさで、アメリカの山岳湖の中では一番大きく、湖の北岸には3ヵ所のビレッジがあります。
どこを走っていても車の運転には注意が必要、こうなったら絶対許してもらえないそうです。
ウエスト・サム
イエローストーンレイクを北から見た時の親指にあたる部分にあることから、‘ウエスト・サム(West Thumb)’と呼ばれ‘ウエストサム・カイザーベイスン’からは、イエローストーンレイクと湖の向こう側の山並みを見渡せます。
トレイルは湖沿いを巡る1周1Kmで、湖の景色を見ながらのトレイル歩きは気持ちがいいものです。
‘フィッシング・コーン(Fishing Cone)’と呼ばれる噴出物が、幾重にも重なり湖の中に湧き出している温泉があります。
‘レイクショアー・ガイザー(Lakeshore Geyser)’や‘底なしプール(ABYSS)’と呼ばれるプールなども見ることができます。
‘ブラックプール(BLACK POOL)’と呼ばれる美しいプールは以前は黒い色をしていましたが、1991年に噴出して以来、温度が高くなりバクテリアが死んで現在の色になっているそうで、たくさん見てきた私たちですが立ち寄って良かったです。
駐車場近くまで帰ってきたとき、主人が‘ウサギや’と言うので足元を見ると、かわいい灰色のウサギがいて、トレイルの横で一生懸命何かを食べていて、私たちが近づいても逃げなくて、ほんとにかわいいです。
グラントロッジ
時刻は6時半を過ぎ、森林の中にあるロッジなので、少し薄暗くなり始めていて、ロッジを探すも、キャンピング場に迷い込んでしまったり、ランドリーセンターに入っても係りの人はいないし、ビジターセンターで聞こうと訪ねても閉まっています。
このまま暗くなれば街頭はないし、暗闇の中、車のヘッドライトを頼りに探すはめになるので、「早く見つけないと!」と思っているとき‘登録(Registration)’と書かれた建物に、電気がついているが目に入り訪ねると、「ここですよ」と言われ一安心しました。
あとで思い出したのですが、このロッジは‘チェックインは、登録(Registration)と書かれた建物で行う’と調べて、旅行の日程表にも書いておいたのに、すっかり忘れていたのです。
現地で、困るであろうと想像できたことは、事前にネットなどで調べて日程表に書き込んでいるので、慌てたときは、もう一度じっくり落ち着いて‘日程表’や、‘地球の歩き方の本’を見ることと再認識しました。
部屋に入り落ち着いたところで夕食ですが、ロッジにはレストランが2つあって、1つは要予約、1つは予約無しでもオーケーだそうなので行ってみることにしました。
でもここでも多くの人が待っていて、いつ食べられるかわからない状態で、疲れているのと明日は早く出発したいので、今日の夕食はコーヒーメーカーがあったので、日本から持って行っていた、お湯を注ぐだけで炊き込みご飯になるご飯や、買っておいた果物などを食べました。
余談ですが、国立公園内のトイレットペーパーは少し硬い気がしました。
今日の走行距離は128(205Km)連日ご苦労様です。
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マンモスカントリー
朝、湯沸しが無いので、コーヒーも飲めず、昨日の夕飯と同じような、冷たい物ばかりの簡単な食事をして、窓の外を見るとホテルから5、60mくらいの所に‘メスのエルク(日本鹿より一回り以上大きな鹿)’が5頭ほど見えたので急いで身支度をして見に行くことにしました。
ホテルを出ると目の前をレンジャーの車が通るし、セキュリティーと書かれたオレンジ色のベストを着たおじさんに「後ろに下がりなさい」と言われました。
「何事?」と思っていると、コテージの陰から、馬くらいの大きさで、70cmくらいはある角の先は、家の軒に届きそうな‘オスのエルク’が、5mほど先に現れました。
「何とラッキーなんでしょう!」、私達がホテルから出てくるのを、待ってくれていたかのように現れて、ここで見ているのは私達と写真に写っているコテージに滞在中の人達だけで、身震いするような感動を覚えました。
大満足したので‘テラスマウンテン’の見学に行くことに、‘テラスマウンテン’はホテルから歩いて5分ほどの距離にあるのと、駐車できる台数が少ないので、ここに宿泊された方はチェックアウト前に見学することをお薦めします。
テラスマウンテン
石灰棚と呼ばれ、地底深くから噴出した石灰分がデコレーションケーキのように蓄積されたもので、現在も刻々と地形は変りつつあり、中国の黄龍、トルコのバムッカレや、秋吉台でも見られるようです。
今でも温泉が噴出し、もうもうと湯気を上げているのはカイザーカントリーと同じですが、趣きはぜんぜん異なりますし、ガイザー・カントリーからここまで(西側ルート)の風景もすばらしいので、訪れてみてよかったです。
アッパーテラス
アッパーテラスは一方通行のドライブルートを車で回るので、ホテルをチェックアウトしてから出かけますが、‘エンジェル・テラス’や‘ホワイト・エレファント・バック・テラス’などを見ることができます。
ブラックテイル・プラトー・ドライブ
マンモス・ホット・スプリングスを後にしてルーズベルトカントリーへ向かいますが、15Kmほど走ると計画を断念した‘ブラックテイル・プラトー・ドライブ(Blacktail Plateau Dr.)東行き一方通行’にさしかかった時、乗用車がその道に入って行っていくのが見えたので、急遽私達も入る事にしました。
この道に入ると、やはり道はでこぼこ道で運転に注意は必要ですが、何台も普通車を見かけましたし、どの車も動物を探したり、景色を眺めたりと、超低速で走るので、車の底を擦るようなことも無く大丈夫でした。
この道は松林を抜け、草原に出たり、針葉樹の林が多い中、白樺の林があったりと、変化にとんでいて、私達が訪れた時はときどき紅葉している木がありましたが、紅葉の時期は綺麗だろうと思いました
珪化木の尾根
珪化木(Petrified Tree)へは、ブラックテイル・プラトー・ドライブの終点からメイン道路に出て、すぐの右手に入る道を数分走ると、突き当たりに駐車場があり、歩いて3分ほど山を登ると、フェンスで覆われた直径1m以上ありそうな木が立っています。
珪化木とは石化した木だそうで、ここの木は立ったまま石化していて、山の中には無数の珪化木があるそうですが道が無い為、この1本のみ見ることが出来ます。
フェンスの囲いの為、触ることは出来ませんが、見た感じでは‘古ぼけた石の柱’のようで、私の想像では、立ち並んでいる状態だったり、手でその感触をあじわえると思っていたので、ちょっとがっかりでした。