2013年5月現在、外務省発表によるアメリカでの感染症危険情報は出ていませんが、2012年6月下記の‘ハンタウイルス肺症候群’の発生の報告が在サンフランシスコ総領事館からありました。
万が一、旅行中や帰国後に発熱などの症状が出たときは、疲れからだろうと考えず、まずは病院へ行き、渡航先、及び動物に触ったとか、蚊又は虫に刺されたなどの情報を、お医者様に話し診断してもらいましょう。早期発見、早期治療が第一です。
ノロウイルス
2013年6月19日、(CNNによる)米中西部のイエローストーン国立公園とグランドティトン国立公園でノロウイルスの集団感染が発生し、米国立公園局は、来園者に手洗いなどの徹底を呼びかけました。
アメリカ国立公園局の発表によると、ワイオミング州北西部の公園内や、公園周辺のモンタナ州で胃腸疾患の症状を訴える人が急増している。
6月7日には、両州の州境に位置するイエローストーンのマンモスホットスプリングスをツアーで訪れた団体客が胃腸疾患の症状を訴え、その2日の間に、この団体と接触した公園職員らも同様の症状に見舞われた。
検査の結果、原因はノロウイルスだったことが判明。米疾病対策センター(CDC)によれば、このウイルスは感染力が非常に強く、感染者との接触や、食品、水などを通じて感染します。
旅行客に加えて、イエローストーンの職員100人以上、グランドティトンの職員約50人にノロウイルス感染の疑いがあるという。
アメリカ国立公園局
ホームページ:http://www.nps.gov/yose/planyourvisit/hantafaq.htm
その他の感染症
アメリカでは動物に噛まれたら、すぐに石鹸と水で傷口を丁寧にに洗い、一刻も早く病院へ行きましょう。おおきな国立公園には診療所があるのでそこで診てもらいましょう。
狂犬病:Rabies
潜伏期間:9日~2年(1、2ヶ月が多い)
初期症状:頭痛、発熱、噛まれた箇所の痛み、かゆみ
感染源:コウモリなどのすべての哺乳類。発病したら100%死亡する。
破傷風:Tetanus
潜伏期間:3~21日
初期症状:首筋や肩がこる、寝汗をかく、口や顔がひきつる⇒激痛を伴う強直性痙攣、呼吸困難。
感染源:傷口に土、木屑、砂利などが付いて感染。
ペスト:Plague
潜伏期間:2~7日
初期症状:腺ペスト→頭痛、突然の高熱、筋肉痛、嘔吐。肺ペスト⇒紫斑など。
感染源:蚤からの感染が8割、ダニ、リスなどや弱っている動物と接触など。2007年グランドキャニオンで急死者あり。
ライム病:Lyme Borreliosis
潜伏期間:数日~数週間
初期症状:刺された箇所の紅斑、発熱など⇒脳炎、関節炎、顔面麻痺、心疾患。
感染源:マダニから感染。もし見つけた時は自分で取らないで、病院で取ってもらう。
コクシジオイデス症:Coccidioidomycosis
潜伏期間:1週間~数十年
初期症状:咳、関節痛、胸痛、発熱、頭痛、下腿部の発疹。
感染源:西部砂漠地帯の風土病。舞い上がった菌(カビの一種)を吸い込んだり、傷口から入ったりする。
ウエストナイルウイルス:West Nile virus
潜伏期間:2~15日
初期症状:39度以上の急激な発熱、異常な精神状態、頭痛、首や背中の痛み、その他。
感染源:蚊にさされないことが大事。虫除けスプレー、白っぽい長袖シャツがお薦め。2010年アリゾナ州で45人の死亡。
サル痘:Monkeypox
潜伏期間:7~21日
初期症状:頭痛、発熱、リンパ腺の腫れ、発疹。
感染源:プレリードッグなどの小動物の飼い主を中心に発症。
テング:Dengue fever
潜伏期間:2~15日
初期症状:激しい頭痛、発熱、関節痛、嘔吐、発疹。
感染源:テングウィルス。一種の熱帯病
感染症についての問い合わせ
東京検疫所
電話:(03)3599-1515
ホームページ:http:// www.forth.go.jp
成田空港検疫所
電話:(0476)34-2310
関西空港検疫所
電話:(072)455-1283
問い合わせ先
外務省領事局政策課(海外医療情報)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2850
外務省領事サービスセンター(海外安全相談担当)
電話:(代表)03-3580-3311(内線)2902
外務省 海外安全公式ホームページ:http://www.anzen.mofa.go.jp
(携帯版)http://m.anzen.mofa.go.jp/mbtop.asp
現地大使館連絡先
在アメリカ日本国大使館
住所:2520 Massachusetts Avenue N.W., Washington D.C., 20008-2869, U.S.A.
電話:(1-202) 238-6700※国外からは(国番号001-202) 238-6700
参考情報
アメリカ疾病対策センター
公式ホームページ:http://www.cdc.gov/hantavirus/index.html
カリフォルニア州公衆衛生局
公式ホームページ:http://www.cdph.ca.gov/HealthInfo/discond/Pages/HantavirusPulmonarySyndrome.aspx
厚生労働省検疫所(FORTH)感染症についての情報「ハンタウイルス感染症」
公式ホームページ:http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name35.html
ハンタウイルス肺症候群の発生
2012年のアメリカ、カリフォルニア州のヨセミテ国立公園におけるハンタウイルス肺症候群の発生について、在サンフランシスコ総領事館からの報告によると、9月7日現在、ヨセミテ国立公園にて感染したと見られるハンタウイルス肺症候群(HPS)による死亡例が3件発生しています。
アメリカ国立公園局は、2012年6月中旬から8月下旬にかけて同公園内カリービレッジにある‘シグネチャーテントキャビン’や‘ハイシエラキャンプ’に滞在した人々に対し、滞在中にハンタウイルスにさらされた可能性があるため、情報提供をしているとのことです。
同局ウェブサイトにこれらの情報が掲載されていますので、上記の期間にヨセミテ国立公園に旅行された方、今後訪問を予定されている方は、下記のアメリカ国立公園局ホームページを参考にしてください。
ハンタウイルス肺症候群とは
アメリカ疾病管理予防センター(CDC)によれば,ハンタウイルスはシカネズミ(deer mouse)など齧歯類(げっしるい)が媒介するウイルスであり、ネズミなどの乾燥した糞・尿・唾液を吸い込むなどにより感染しますので、こうした動物との接触を避けることが予防につながります。
ハンタウイルスに感染することは希ですが、感染してハンタウイルス肺症候群(HPS)を発症した場合には、深刻な症状を引き起こし,死亡に至ることもあります。
潜伏期は1~5週間とされて、初期症状は疲労感,発熱,悪寒,筋肉痛など風邪に似ており,初期段階での治療が重要とされています。